国技”相撲”の街・両国で体験する下町文化と食の旅

2024.03.29

その土地が生んだ歴史や伝統などによって育まれた食に触れるガストロノミーツーリズム。 文化を食と共に知れるということから、欧米では広く浸透しており、最近では日本でも親しまれるようになってきました。
そんなガストロノミーツーリズムにぴったりなのが、相撲の街・両国。江戸時代から、交通の要所や歓楽街として栄えてきたこの土地で生まれ育った浮世絵師・葛飾北斎が数々の絵を残しています。

初めて両国を訪れた俳優・村上愛花さん
今回、そんな両国の歴史と食文化を体験するのは、モデルとして多くの女性から支持を集めるほか、俳優としても活躍中の村上愛花さんです。
※商品情報などは記事掲載時のものです。

【提供】東京都
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聖地・両国国技館をランドマークに相撲一色の街 両国

隅田川に架かる両国橋に由来している両国は、浅草から徒歩で30分ほどの距離にあり、見上げれば東京スカイツリーが見える、東京下町の雰囲気と現代的な雰囲気が融合している街。江戸時代には葛飾北斎や歌川広重らがこの土地に生きる人々を描いたことでも有名で、江戸時代の様子を展示している江戸東京博物館(2025年度まで休館中)や葛飾北斎の芸術を楽しめる、すみだ北斎美術館が点在しています。

古くから交通の便もよく、現在は街の中心にJR総武線が、清澄通り沿いに都営地下鉄大江戸線が走っています。JR両国駅は歴史ある旧駅舎を改良して飲食施設「‐両国‐ 江戸NOREN」を併設。江戸の町家を意識した空間で下町ならではの食を楽しめます。

 街の至る所に感じる”相撲節”。歴史を紡ぐモニュメントが多数点在

両国駅を降りてすぐに目に止まるのが力士像。横綱土俵入りの柏手を打つ直前や四股前、不知火型や雲竜型のせり上がりといったさまざまなポーズをして観光客をお出迎え。これらの像は国技館通りに沿って、大相撲の前身・勧進相撲が行われていた回向院から両国国技館の間に点在しています。どの像も小型ながら土俵入りの勇姿が表現され、一気に相撲の街を訪れた空気を体感できます。

台座には歴代横綱の手形のモニュメントもあり、自分の手と合わせている人も。その大きさから驚きの声が聞こえてきます。

また道路沿いには葛飾北斎の浮世絵が描かれたベンチも。休憩しながら、この土地の歴史に触れる事ができます。

 名物「両国力士もなか」と鮮やかな「花氷(はなごおり)」

名物「両国力士もなか」162円(税込)と色鮮やかな「花氷」216円(税込)
包み紙を開けると現われる相撲取りがかわいらしい「両国力士もなか」。一口食べると、厳選された北海道産の小豆を用いたつぶしあんともなかの香ばしい香りが口いっぱいに広がります。

見た目も鮮やかな「花氷」は、創業以来つくられている干菓子。寒天と砂糖を固めたものをカットして乾燥させており、外側はカリッと中はふんわりとした食感が特徴です。

琥珀糖とも呼ばれている昔から日本で愛されている干菓子ですが、最近では生菓子の人気により販売している菓子店も少なくなってしまったとのこと。「とし田」では、新年のお茶会や結婚式の引き出物としても人気のある紅白のものを通年、それ以外にも季節によって味を変えたものが販売されています。

肌で感じる力士の聖地「両国国技館」と力の源へ

JR両国駅の反対側に戻ると、どっしりとした八角屋根が印象的な両国国技館が見えてきます。
1909(明治42)年に江戸時代からの名残で、回向院の境内に相撲興行の場として誕生した旧国技館。1954(昭和29)年に蔵前につくられた蔵前国技館に続く三代目として1984(昭和59)年に完成。翌年の1月場所より多くの名勝負が行われ、多くの人を熱狂させてきた相撲の聖地です。

本場所中は、正面入り口周辺に部屋や力士の名前が書かれた色鮮やかな「相撲のぼり」がなびき、賑やかな雰囲気に。町中、着物姿で歩く力士を見かけることが多くなり、相撲の街をより体感できます。

両国の景色も堪能できる!ちゃんこを味わうなら名店「ちゃんこ霧島」へ

飲食店が多い両国ですが、やっぱり目につくのはちゃんこ店の看板の多さ。ちゃんこは魚や肉、野菜がたっぷり入った鍋料理で、栄養のバランスもよく、力士にとって理想の食事と言われています。

古くは明治後期、十九代横綱・常陸山が在籍していた出羽海部屋で、力士の食事のメインを鍋料理にしたことが始まりと言われています。そのおいしさと配膳などに手間がかからないことから力士の間で人気を集め、いつのまにか定番料理に。各部屋に秘伝の味が受け継がれ、今では両国のいろんな店で、それぞれの部屋の味を楽しめるようになっています。
JR両国駅から国技館通りを渡ってすぐの場所にあるのが、元大関霧島(現・陸奥親方)が手がけるちゃんこ店。パワフルな相撲と筋肉美で“和製ヘラクレス”の異名を持っていた元大関霧島の陸奥部屋直伝本格ちゃんこ鍋を食べられると人気です。

初代霧島が初優勝したときの優勝額と店名の入った「相撲のぼり」が出迎えてくれる玄関を抜けると、一気に相撲モードに。力士が描かれたのれんや実際に霧島が使用していた回しなど相撲ファン必見のインテリアが飾られています。

8階建てのビル全体が店舗になっており、各階でコンセプトが違うのも特徴。ゆっくりくつろげる座敷から掘りごたつ、会食に使いやすい個室など、用途に合わせられるのも魅力です。8階の横綱の間は個室のほかに大人数で楽しめる座敷があり、一面窓ガラスの店内から、両国の街が一望できます。

 看板メニューの「<陸奥部屋直伝>ちゃんこ鍋-霧島味-

「<陸奥部屋直伝>ちゃんこ鍋-霧島味-」1人前3520円(税込※2人前から)
鶏ガラ豚骨スープに醤油と味噌を合せた白味噌仕立てのだしに、柚子こしょうを隠し味として入れてさっぱりと仕上げる「〈陸奥部屋直伝〉ちゃんこ鍋-霧島味-」。野菜や豚肉、鶏ミンチ、ホタテやエビ、タコ団子などの魚介類に豆腐、油揚げなど16種類の具材のうま味が溶け込み、深い味わいが楽しめます。

10分ほど煮込んだらちゃんこ鍋は完成。熱々の鶏ミンチを食べると、柚子こしょうの風味がふわりと感じられます。味はしっかりしているけど、さっぱりと食べられて、しつこくないのが特徴です。

後半になっていくと、具材の味とだしがしっかり合わさり、最初とはまた違った風味に。しっかりと煮込まれた野菜はクタクタになり、だしが浸みて鍋ならではのおいしさになります。

具材の味が染み出ただしを残さず食べるには、ちゃんぽん、うどん、雑炊で締めるのがポイント。

 自家製「手作りマンゴープリン」&「手作り杏仁豆腐」

名物の手作り「マンゴープリン」300円(税込)と「杏仁豆腐」300円(税込)
ちゃんこ鍋でお腹がいっぱいになった人でも食べられると人気なのがデザート。「マンゴープリン」と「杏仁豆腐」は、毎日お店で板前さんが手作りしているオリジナルで、多くのリピーターを生んでいます。

「マンゴープリン」をスプーンですくって一口食べると、そのプルプル食感から思わず笑みが。マンゴーの上品な甘さが口の中に広がっていきます。

「杏仁豆腐」はさっぱりとした舌ざわりに杏仁の華やかな香りが印象的で、「マンゴープリン」は濃厚な口当たりでマンゴーの果汁がたっぷりと入っています。どちらもスイーツ店でいただけるような本格派で、お口直しにぴったりです。

BGMで相撲甚句が流れるなど、そこにいるだけで相撲の雰囲気を味わえる店内では、初代霧島のイラストが書かれたコースターやペーパーランチョンマットなど、さまざまなところで霧島を堪能できるのも特徴。せっかく両国に来て相撲の空気にどっぷり浸かるなら、ぜひ訪れたいところです。

食、歴史、街並み全体からエネルギーを感じる街 両国

相撲の街として独特な文化を築いていった両国。両国国技館はもちろんのこと、店の看板やシャッターなど至るところで相撲を感じることができました。初めて両国を訪れた村上さんも、「ここにも相撲のイラストがある!」と街に溶け込んだ相撲アイテムの発掘を堪能した様子。相撲モチーフを探して街歩きするのも両国ならではの楽しみ方です。
古くから多くの人に愛される老舗の和菓子屋さんから有名ちゃんこ店のオリジナルデザートまで、さまざまなグルメとともに街の特色や歴史を感じられる街・両国。相撲文化に触れながら、おいしいお店を見つけてみるのはいかがですか? 撮影=富田一也/取材・文=玉置晴子

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村上愛花(むらかみ・えりか)
2000年8月13日生まれ、福島県会津若松市出身。雑誌「ViVi」の専属モデルとして若い女性からの支持を集める。俳優としても、2023年にはスーパー戦隊シリーズ「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日系)のヒメノ・ラン役として出演するなど、幅広く活躍している。
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とし田
住所:東京都墨田区両国4-32-19
営業時間:10:00~19:00 
電話:03-3631-5928 
定休日:日曜、祝日
公式サイトはこちら

ちゃんこ霧島 両国本店
住所:東京都墨田区両国2-13-7
営業時間:
【平日】ランチ 11:30~15:00(L.O.14:00)/ディナー 17:00~22:00(L.O.21:00)
【土日祝】ランチ 11:30~15:00(L.O.14:00)/通し営業 14:00~22:00(L.O.21:00)
電話:03-3634-0075
定休日:月曜(大相撲本場所、国技館開催期間中は定休日は無しで営業)
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